なぜセラピストという仕事を選んだのか(1)
【第1回】 私がセラピストという仕事と出会うまで
ご挨拶でも少し書いていますが、私がセラピストになるまでについて、改めて書いてみたいと思います。
大学を卒業して、私は養護教諭として小学校に勤めました。正直に言うと、その道を選んだのは強い憧れがあったからではなく、「なんとなく」でした。そうではありましたが、実際に子どもたちと向き合う毎日は、想像以上に心を動かされるものでした。小さなけがで保健室を訪れる子、友達との関係で胸を痛める子…。一人ひとりに寄り添いながら、子どもの心と体の小さな変化を見守っていました。
しかし、結婚を機に退職すると、日常は一変しました。子育てに追われ、自分のことは後回し。気づけば数年が過ぎ、周りを見渡すと、友人たちはキャリアウーマン、女性消防士、整体師など、それぞれの道で輝いていました。そんな姿を目にするたび、「私はこのままでいいのだろうか」「私の本当にやりたい仕事は何だろう。やらないで、後悔はしたくない。」と、胸の奥がざわつきました。焦りや迷いを感じる自分がいました。
そんなとき思い出したのが、自分の結婚式のために受けたブライダルエステの体験です。忙しい毎日でくすんでいた肌が、施術後にはふわっと明るさを取り戻し、鏡に映る自分に自然と笑顔がこぼれた瞬間。外見が整っただけではありません。心まで前向きになり、「明日も頑張ろう」と思える自分に変わっていました。あの体験は、私の人生を揺さぶるほどの感動でした。
「セラピストは、女性に幸せを与えることができる。」
その気づきは、ずっと胸に残っていました。そして子育てが落ち着いた今、再び自分の人生を見つめ直したとき、あの感動が鮮明によみがえったのです。「女性が美しく、健康で、自信を持って生きられるように支えたい。」その想いが込み上げ、私は思い切って、セラピストの道に飛び込みました。(続きます)